〜Short dream〜
□温もり消えるその前に
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『………俺さ、本気だったんだぜ…』
「えっ………」
『…本気、だったんだ……本気でお前のこと……ッゴホッ…!』
「しゃべらないで……!!」
ばかやろー、
最期なんだよ
『本気で、好きだった』
「………」
『愛してたんだ、』
「……………ありがとう」
「私、」
そこで意識は途絶えた
俺は
死んだんだ。
「…………」
「…ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……!!」
「………ちゃんと、伝えられなかった……!」
私も、
好きでしたって
ごめんなさい
私が臆病で
あなたがどんなに優しくしてくれても、
どんなに好きだって言ってくれても、
私が臆病なばっかりに
心の奥であなたを信じられなかった
本当にごめんなさい
──温もり消えるその前に───
一つだけキスをした
(唇からかすかな温もりを感じた、
気がした。)