白い兎を追いかけて、私は現実から飛び出した。私はアリスと呼ばれることが大嫌い。
私は夢見る少女なんかではない。現実の私を知る人なんていない。
ねぇ。
アリスって名前の少女はみんな、夢を追い続ける、可愛い女の子じゃなきゃいけないの?
不思議な世界を舞台に、可愛く舞わなきゃいけないの?
それを確かめるために私は夢の国へ踏み込んだ。現実なんて大嫌い。
白い兎を捕まえて。
私の存在を聞き出すの。
私は夢見る少女なの?
もしそうだと言うのなら。仕方がないから、夢を叶える努力をしましょう。
不思議の国を私の国にしてあげる。
アリスの存在を強いものにしてあげる。
さぁ、待って、白兎。
私はこの国の、女王様になりたいわ。
暗黒アリス