Novel

□June Bride
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「…ルキア」
「何だ?」
「お前は、この曲の『君』みたいにどっかに行ったりしねぇよな?」
「なんだ、貴様そんなことが気になったのか?」
「テメーが変なコト言うからだろ!?」

 俺がどれだけヒヤッとしたか知らねぇだろ……。とかなんとか呟きながらもう一度力を込めてくる。…よほど色々考えたらしい。

「まぁ、行かねぇならそれにこしたことは…「約束はしかねるな」
「はぁ!? てめ、そこは普通に空気読んで『私はどこにも行かぬ』とかだろ!」
「あいにくその様な能力は持ち合わせておらぬのでな」
「…んなろ……」

 口のわりに、一護がかなり落胆した表情を見せる。本人だってきっとわかっていたはずだ。でも、受け入れたくない。それはルキアも同じことではあるけれど、でも立場上それを表すわけにはいかないのだ。

 そう、立場上。


 それを言い聞かせるために、ルキアはあえて淡々と言葉を紡ぐ。どちらを対象にしているのかは、自分でもわからないけれど。

「一護、落ち着いて考えてみろ。私と貴様ではそもそも生きる世界からして違うのだぞ?」

「…わーってるよ」

「…ならば、私がいつか貴様の元から去るのは必然ではないか」

「……それでも嫌だ」

「貴様一人がゴネたところでどうなる問題ではない」

「…ほんとにか?」

 え? と、ルキアは思わず聞き返していた。まさか、単なる拒絶以外の言葉が返ってくるとは思わなかったから。




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