Novel

□June Bride
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 そう耳元で囁いた途端、美咲の両目がぱちっと開かれた。そしてがばっと上半身を起き上がらせて、
「ええ!? な、時計セットしたのに…!?」

 七時半に起きるつもりが……と呟いてから、むっと美咲は碓氷を睨んだ。

「また、目覚まし切ったな……?」
「だってせっかくの休みなんだし、美咲に寝てもらいたかったんだよ。それに美咲ちゃんの寝顔を独占できるs「アホかぁ!!!」

 あ、赤くなった。美咲といるのは本当に楽しい。すぐこんな風に照れて可愛い反応を見せてくれるから。
 なんて言ったら、彼女はまた真っ赤になって怒るだろうけれど。

「ったく、お前はなんで朝からこう何と言うか…そんなとんでもないことを抜け抜けと…」

「そんなとんでもない奴と先週結婚しちゃったのは誰だっけ」
「〜〜〜っ!」

 何も言えなくなって口をパクつかせている美咲の頭をくすっと笑ってぽんと叩いた。
「もうすぐ朝食出来上がるから。服着替えたら下りて来てね」
「…おぅ」

 彼女が呟いたのを確認して、拓海はベッドから離れて部屋を出る。そろそろベーコンエッグが焼きあがる頃だ。

 さて、今朝の味付けは何にしようか?









日々の始まりは、ベーコンエッグの香りによせて
(キスじゃ目覚めないお姫様)






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