Gift

□☆If I were...
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 じーっ。
 
 視線を感じる。
 
 スパーダの勘ではこの視線の発信源は、ライラックのような薄紫の虹彩だ。事実その両目の持ち主はさっきまでビスケットをおやつに紅茶を飲む音をカチャカチと鳴らしていたのに、今ではピタッと動きを止めて一切物音を出していない。
 
 自分の紅茶を煎れながら視線を感じ続けたスパーダは、ついに耐えきれなくなって相手を見返した。

「…何か用か? アンジュ」

「え!? いえ、何でもないの、ごめんね?」

「何でもなくねェだろ。何? 俺の顔に何か付いてるか?」

「違う、そうじゃないの! そうじゃなくて…その面白いなぁって思っただけ。唐突に」

「面白い…? どこがだよ」

「その…剣が紅茶を飲むことが」

「――は?」
 
 それは本当に唐突かつ意味がよくわかりませんがアンジュさん。

「ふと思ったの。スパーダ君の剣を見た時に」
 
 そう言って、彼女はスパーダがベルトごと椅子の背に掛けていた二鞘の長剣を指差した。

「そういえばスパーダ君も剣だったのよね…って」

「まぁ…確かに俺の前世は聖剣デュランダルだな」

 けれど普段はそんなに意識していないので、改めて言われると少し妙な感覚に捕われる。


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