スキマスイッチ御題
□☆W.ふれてみたいよ
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いつだって、君に触れるには理由がいる。
埃がついてるから、髪が絡まってるから、あとそれから…。こんな感じで、現実はそんな都合のいい理由なんてたいして転がっているはずもなく。いつもみたく
「一…違った黒崎くん!」と叫びながらこちらに向かって走ってくるルキアを、俺は半ば苦笑した顔で見てやった。
W.ふれてみたいよ
「また授業大幅遅刻かよ…」
「うるさい、わたしだって同じだ、文句を言うな」
「へいへい」
今日も学校に行っている間に虚が現れて、また俺とルキアは学校を抜け出して倒しに行った。虚自体のレベルは全然大したことはなくあっという間に終わったが、若干出現場所が離れていたために帰って来た頃には次の授業が始まってすでにだいぶたっていた。
「5分くらいなら適当に言い訳を捏造するんだけどなー」
「逆に何事も無かったように堂々と入って行ったら教員も突っ込んで聞きにくいのではないか?」
「一人ならやるかもしれねぇけど…」
様々な噂が蔓延した状態の今、こいつとそんなことをやらかすのは自殺行為に等しい。
明日から一体どんな顔をしてクラスメイトからの追求をかわせと言うんだ。お前はそのお嬢様キャラで軽く流せるかもしれないが…。
「もうサボっちまおうぜ、いっそ」
もう何だか色々面倒くさくなって、俺はそう提案した。授業が終わって時間差をつけて戻った方がまだ騒ぎは小さいだろう。