☆小説2☆
□冬の空に願いを込めて
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「キバ…まだ歩くのか?」
「うん。あ、そういえばもう少し歩くと丘あったよな。いかねぇ?」
「良いが…もうすぐ暗くなるぞ…?冬は日没が早いからな」
「うーん…まぁいいや!行こうぜシノ!」
半ば強引にシノを連れ、小高い丘に登る。もう空は紅く染まり、日没が迫っていた。
気温も更に下がり、冬を改めて感じさせる。
「はぁ〜、頂上だなぁ。木の葉の街が小せぇ〜!!」
無邪気にはしゃぐキバを横目に、シノもふと微笑む。
「そうだな…」
しばし頂上からの眺めを堪能する二人。冷たい風が吹く中でも、それを忘れさせるくらいその景観は素晴らしいものだった。二人は眺めを眼下に、たわいもない話をして時を過ごす。心なしか会話が湧く。笑顔が互いに零れ合い、穏やかな時間が流れた。