☆小説2☆
□この世で一番
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「やっぱりな…。お前、分かりやす過ぎ」
「お、お前が勘良すぎるんだっつの!」
顔を真っ赤にして、頬を膨らませて抗議。シカマルは苦笑いして、
「で?喧嘩の原因は?」
と、小さな子供をあやすように問う。
「な、なんで喧嘩なんて知って…」
「あ?やっぱり喧嘩か」
「はぁ?!か、カマかけたな!!」
「引っ掛かる方がわりぃんだよ」
まるで、大人と子供。シカマルには口で敵わない。
「ぅ…、実は…シノのやつ…俺にかまってくれなくて…ずっと本ばっか読むし…かまってって言っても…『後でな』だし…」
涙ながらに話す俺。シカマルはずっとうんうん、って聞いてくれてた。
「それに…最近好きだって聞いてないし…もう俺の事なんか…」
もう言葉にならないくらい泣きたい衝動が込み上げてくる。
「も…っ、シノ…俺の事好き、じゃないなら…ヒック…浮気してや…る、…ッ」
こんなの本心じゃないけど…。何故か口から漏れてしまった。
その瞬間、シカマルに、抱き締められた。
「なら…俺にしとくか…?」