☆小説2☆

□For You
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「俺が欲しいのは…おまえだ、キバ。」


「は…?」

一瞬、意味が分からなかった。
でもすぐに気付いて、顔が真っ赤になってしまう。


シノが俺の頬を、その綺麗な指で優しく撫でた。
まっすぐシノの顔を見れなくて目をそらしてしまう。目が見えなくなるくらいに、シノの存在が圧力をきかすみたいで。

唇に指が流れてきて、そのまま唇を重ねる。

始めは軽く、段々深く。
濡れた音が口先、口端から零れ。
息も荒く、二人の熱が交差する。

「はぁ…、シノ…ん…ン」

「キバ…、」

互いの名を呼び、クチュクチュと艶じみた音を出しあう。

段々衣服がはだけられて、互いの肌があらわになる。
そこを這う手も、まるで違う生きものの様になまめかしく動いて。

「ひゃ…ぁ、や…」

シノの冷たい手が敏感な肌を這いずる。
いやがおうにも声が漏れてしまう。

「んやぁ…っ、ン…」

背筋がビクビクと反応し、下肢が疼く。息は益々高ぶり、目はうつろになって。

「シノ…もっと…して…」

自分から、求めてしまう。
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