☆小説2☆
□本当の理由
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「シノ…俺飽きられたんなら別れるから」
遂に口から出てしまった。
捨てられるなら、自分から捨ててやる。
傷つきたく、ない。
「キバ…それは本気か?」
別れると聞いても、シノは涼しげな顔で俺に問う。
そんなシノを見てたら、急に淋しくなった。
別れるなんて、本心じゃない。ただの意地。
顔色一つ変えないシノ。
俺なんか…要らないのかな…本当に。
だんだん悲しくなってきて、涙が零れる。
「シノは…俺の事好きじゃないの…?
俺は…シノが好きだから…別れたくないのに…」
擦れた声で少しずつ話す。
「キバ…言ってる事が矛盾してるぞ…?どっちなんだ…?」
「だから…!別れたくないって言ってるだろ!
俺はシノが…好きだから…!」
勢いよく言ったせいで、涙が益々溢れる。半ばキレ気味に言葉を吐き出した。
するとシノは静かに言い放った。