☆小説☆

□風邪
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「もうイヤだー!シノにうつしてやるー」
とイタズラっぽくシノに笑いかける。少しキバの目は咳による喉の痛みと、熱のためか潤んでいる。
何故かいつもより色気を醸し出すキバに、シノは“病人相手に欲情してはいけないな…”と、自分をたしなめるように
「早く治せよ…?」
と軽く流す。しかし、そんなシノの自制心を打ち砕くように、キバは尚も本心からではないが、シノを誘う。
「ん…熱い…。もう死ぬ…ダメかも…」
紅潮した顔で胸をはだけ、白い足を投げ出す。
「シノぉ…何とかしてくれよ…」
淡い息を漏らし、シノに頼りかかる。こうなっては、シノがもう我慢出来るハズもなく。
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