☆小説☆
□I 愛 eye
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「そういえばさ、俺らって特殊な目の持ち主同士なんだよな」
キバがシノの前に座って、まじまじとシノの瞳を覗く。
シノはサングラスをしているため、よくは見えないのだが、キバはシノの瞳を凝視する。
「・・そうだったか?」
シノは、自身の瞳がオッドアイ(左右色違いの目)という事をキバに話していたが、キバからは目の事は何も聞いていなかった。
シノのオッドアイは、角度によって見える色が違う。
それによって、ある角度で見えた色が禁忌の色だとか、呪われた色だなどと影で囁かれている。
が、実際は蟲の使役に関係があるだけ。
油女一族だけに許された瞳。
「そうだよ!あれ?言ってなかったっけ?」
キバは首をかしげ、眉をしかめた。
「あぁ・・。聞いた覚えが無いな・・」
シノはキバの顔を見つめ、次言を待つ。
キバはにまりと笑い、
「俺の目って、紅眼っていうんだよ」
と上体をシノ側に乗り出し、目をよく見せた。