☆小説2☆

□もう一度君に
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「え…?」

カカシが頭をあげてキバに問う。


キバは涙をまた零し、ぽつぽつと話し出した。


「カカシ上忍…付き合ってって…この場所で言ったの…覚えてる?
 その時…ずっとキバ君だけ好きだから…って言ってくれたのは…?
 俺…ずっと信じてたんだよ…?


 上忍は…どうなの…?」


俯き加減で、キバが問う。
俺は胸が痛くなった。

そうだった。この場所は、自分達の始まりの場所で、キバへの気持ちを伝えた場所だった。

だから、キバはここに居たんだ。


信じてたキバを裏切った自分を、キバはこの場所で自分が来るのを待ってたんだ。



そう思うと、キバの一途さが心にきた。
自分をこんなに好きで居てくれてるキバを、これ以上に無いくらい愛しく思った。


「キバ君ゴメンね…本当にゴメンね…」

ぎゅう、とキバを抱き締めるカカシ。
今度はしっかりと、逃がさないと言うかのように。

「カカ、し上忍…ッ、く…、ぅ」

キバも涙と嗚咽を漏らしながらカカシを抱き締め返す。
負けないくらいに強く。

「もう…離さないで…」

「離さないよ…。
 もう一度…


 もう一度君に誓うよ…。





 君だけを好きで居させて…」



アカデミーの屋上で交わされた誓いは、もう二度と破れる事は無い。


君の大切さが、改めて分かったから。




もう一度、君に誓いを。


二人だけの、大事な誓いを。





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