Waffle

□SNOW
1ページ/1ページ

「不破っ!!!見て見て、雪っ!」

藤村成樹がに促されて窓を見ると、数え切れない程の雪が地上へと舞い降りていく。

ひらひら、と。

それは桜の花が散る様に似ていた。

気まぐれな風に吹かれ。

時には地面へ叩き付けられ。

時には重力に逆らって空へ浮かび。

再び、また降りてくる。

ひらひら、と。



真っ白な。

純白な。

穢れの無い。



そんな形容詞が最もよく当てはまる。

綺麗な、雪。





「…雪って、不破みたいなイメージやね」

不意にそう成樹が呟いた。

意味がよく分からず理解に苦しんでいると、ふ、と成樹は笑う。

「雪っていうか、白…かいな。俺の中で不破のイメージカラーは白やねん」

屈託無く笑う成樹に、余計に頭の中で疑問符が増える。



自分の持つイメージカラーが何かは考えた事がないが、白、はどこか違和感を覚える。

同様に、他の誰からもそう言われた事は皆無で。

寧ろ、黒だとはよく言われた。

黒が、よく似合う、と。

思い出せば以前そう話した時に、成樹は少し意外そうにしていた気がする。

人それぞれ、感性て違うもんやな、と。

それは確か、二人が親しくなったばかりの頃。

「白、だと云われたのは始めてだ」

「そ?結構合うとると思うんやけどなぁ」



ひらひら、と。

窓の外で舞う白雪。

天からゆっくりと降りるその軽く柔らかな姿。

考えれば何故かいつも、初雪は成樹と一緒だった。

「今年で…6回目?」

「そうだな。…否、7回目だ。」

「長い付き合いやなぁ」

くすくす、と成樹が笑う。

不思議と繋がる会話にも、いつも心が和らいでいた。

「雪積もったら、今年もやる?」

「これくらいじゃ積もらないと思うが」

「じゃ、いつか積もったらやろ。今年も負けへんで、勝負や!」

「今年は、だろう?」

「うるさいわっ」

中学時代に成樹が言い出して、今では既に恒例となってしまった雪合戦。

男二人が真剣に何をやっているのだろう、とよく呆れられてしまうが。

やっている本人はどうとも思わない。

手加減無しで真剣に投げてくる成樹に応戦するので手一杯。

そして、その楽しそうな笑顔を見るのに精一杯。



「何だかんだでいっぱい遊んだなぁ」

「ああ」

「今年もあと少しや」

「あと1時間弱か」

「それと、俺忘れてへんよ?」

「?…何をだ?」

「成人おめでとさん」

「…忘れていた」





ひらひら、と。

大晦日に舞い降りる雪が、今年の全てを白く清める。

新たにやってくる一年が、

幸せなものであるように。





*****2004/12/31
待ちに待った不破大地の生誕祭です!!!!おめでとう!
なんとか間に合ってホッとしてます、笑。
今日は地元で初雪(多分、笑)が降ったので雪をメインにしてみました。
でも主役は大地です。誰がなんと言おうと大地です。
白には純真、明白、真実、勝利、孤独など、不破にぴったりな単語がイメージ付けられていて萌えます。笑。
私の不破イメージも黒より白がしっくりきます。
私の好きな色の一つでもありますが。
毎度意味の分からない話ですみません。有り難う御座いました!!笑。

タイトルは「雪」です。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ