Waffle

□Good morning!
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「ん・・・」

眠気を帯びてなかなか開かない瞼を抉じ開けると飛び込んでくる、暖かい光。

覚醒していく中で感じた体温と感触に視線を向ければ、頼もしい腕から抱き締められていた。

寝ぼけて上手く回転しない思考でも、誰のものかなんて考えるまでも無い。

何度、この温かな腕の中で目を覚ましただろう。


「起きたのか」

未だ腕の中で微睡んだままの成樹の背を抱き寄せ、不破が問う。

耳元を擽る息と声に、成樹は僅かに体を震わせた。


「っ・・・服、着る」

頬に熱を帯び、腕から出ようとする身体を、不破の両腕が閉じ込めた。

「不破〜・・・」

体の反応が鈍く、抵抗するのも面倒なので、名前を呼んで解放を催促する。

だが返って来たのは、首筋に軽く触れる不破の、柔らかな唇の感触。

びくっと体が跳ね、急激に体温が上がる。

「っそれ反則!」

腕の中で暴れながら、体ごと不破の方へ向き直って睨み付ける。

不破相手に通用しないことくらい、知っているけれど。


すると。

「冗談だ。体を冷す前に服を着ろ」

ほんの一瞬、不破が笑った。

目を、奪われた。

いくら普段は無表情に近いからって。

いくら珍しいとはいえ、笑顔くらいで。

「・・・どうした?」

顔が赤い、熱か?

頬に触れる手から、溢れ伝わる慈しみの情。

伝わる愛情が、自惚れではない事を自覚する。感じ取る。

そして改めて理解する。

どうしようもなく、自分はこの男に弱いのだと。

不思議な空気を持つ、不破大地という人間に。



未完成だから、足りないものを求め合う。

捧げる愛と。

授かる愛と。

様々な思いとが交差して、この時を刻む。

君の時間と僕の時間。

重なり合ったその時に、幾千幾万の喜びが訪れる。



「佐藤?」

「何でもあらへんよ」

この気持ちが、何だかくすぐったくて、笑いかけた。

誤魔化した。





*****2004/04/12
お粗末様でした、いかがでしたでしょうか。今回のテーマは大地のいたずらです、笑。
付け加えれば押され気味なシゲ。寝起きいちゃつき砂吐き話です。
show姐、遅くなっちゃってごめんなさい。
どうしようもない話ですが、貰ってやってください。また遊んでね!

タイトルは「おはよう!」ですが清々しいとは言えない内容、笑。

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