咲き匂う花
□二人の想い
4ページ/9ページ
「はぁん…っ……ぅっ…」
天真は突然されたキスに息が苦しくなり、友雅から逃れようとするが、友雅は押しても叩いてもびくともしない。
それどころか、さらに強く抱き締めてくる。
「やめ…っ…、友…ま……苦し…っ…」
いつのまにか苦しいはずの呼吸が緩和され、天真の口からは、甘い声が漏れはじめる。
どちらのものとも分からない糸をひきながら、友雅は天真と唇を離す。
「こういうキスはしたことがない?」
からかうような友雅に天真は赤くなった顔をふいっと逸らし…今、した。と答えた。
負けず嫌いというかなんというか…。
友雅は一人、くすりと笑う。
「では今度は天真からしてくれるかい?」
ふふ…っと笑い、友雅は天真がキスしやすいように唇を寄せる。
「…ーっ」
唇に友雅の息がかかって熱い。
「…どうした?しないのかい?」
意地悪く笑ってるくせにその瞳は愉しそうに輝いている。
そんな友雅を憎らしいと思う反面、そんな友雅が好きだ…と思う。