咲き匂う花
□二人の想い
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陽が沈み、昼よりは幾分か涼しくなったような気がする時刻。
天真は約束通り、友雅の邸を訪ねていた。
「さぁ、…入ったらどうだい?」
来たはいいが、いつまでも庭で突っ立っている天真を友雅は笑いながら、自室へと招きあげる。
「どうしたんだい?そんなに熱く見つめて…」
友雅が意地悪げに笑うと、天真の頬が一気に赤くなる。
「…っ今日は遊びに行かないんだな」
「ん?…女性と?天真が相手をしてくれるのにかい?」
それまで友雅と距離をとっていた天真の体が、友雅によって近付けられる。
「…ぁっ…」
「私を楽しませてくれるんだろう?」
急激に近づいた体は、もはやお互いの吐息が触れ合う距離だ。
友雅の息が天真の首筋にかかる。
「…っ」
天真の肩がびくり…と動く。
「どうやって私を楽しませてくれるんだい?」
「…んなっ、知らなっ…はぁ……んん」
天真の言葉を遮ったのは、友雅の唇だった。