咲き匂う花
□二人の想い
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都合のいい冗談だと思ったんだが…どうやら、冗談ではないらしい。
「友雅が俺を好きじゃないのは知ってるし…男の俺がこんなこと言うのも変かもしれないけど……それでも…」
真っ赤になって俯きながら、小さな声で天真は言っている。
私が想っている…ということが知られたわけではないようだな。
面白い…
「では、私に抱かれたいと?」
くすくす…と意地の悪い笑みを浮かべる友雅。
ここまで言われては、さすがの天真も怒りだすだろう。
と、友雅は天真を甘く見ていた。
「抱かっ…、…いいぜ。それでも」
意志の強い瞳。
友雅の弱いそんな瞳で、天真は友雅を見つめる。
「では、今宵…私の邸で待っているよ」
侍従の香りを残して、友雅はその場を去った。