咲き匂う花
□甘い甘い
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「ほう…。一つもらっていいかい?」
「え…あ…どうぞ」
詩紋はぎこちなく笑う。
友雅はそんな詩紋を不思議そうに見ながらこんぺいとうを口に含む。
大丈夫かな?
まだ試作なんだけど…
あかねちゃんに特別につくったやつなんだけど…
あとで改良して友雅さんにあげようと思ってたんだよね
まぁ…いっか。
順番が逆になっただけだし
「…甘いね」
「それはまぁ…」
(砂糖で作ったからなぁ…)
「これは詩紋が考えたのかい?」
「違います。僕の時代にあったものなんです。」
それもちょっと違うんだけど…
「なかなかおいしいね。もう一ついいかい?」
「どうぞ」
この人に微笑まれて抗えるはずがない。
僕はこの人が好きなんだから
詩紋は同じように微笑み返した。
一つ口に含んだ友雅は口の中で、やはり甘いな…と呟いた。