咲き匂う花
□甘い甘い
1ページ/8ページ
「…〜♪…」
初めて作ってみたけど結構うまくできちゃった。
詩紋は鼻歌を歌いながら、最新作のお菓子を持ってあかねの部屋へ行く。
あかねちゃん…喜んでくれるかな?
そんなことを考えながら歩いていた詩紋は前から歩いてきている友雅に気が付かなかった。
「そんなに嬉しそうな顔をしてどうしたんだい、詩紋?」
「え?…あっ!」
友雅がいることに気が付かなかった詩紋はそのまま友雅の胸に飛び込むように友雅にぶつかる。
「詩紋、ちゃんと前を向いて歩きなさい。危ないだろう?」
爽やかに笑う友雅に詩紋はつい自分が持っていたお菓子のことを忘れてしまっていた。
「ところで詩紋…このおいしそうな物はなんだね?」
「えっ?」
詩紋は友雅の手のなかにあるものを見て少し驚く。
僕お菓子持ってたんだっ。すっかり忘れてた…υ
「あ…それは僕達の世界にあったお菓子なんです…こんぺいとうって言うんですけど……」
「こんぺいとう…?砂糖菓子かい?」
「え…はい。そんな感じです」