咲き匂う花
□気の乱れ
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友雅が眠れず、御簾をあげて月を眺めていると庭先から声がした。
「友雅」
「これは泰明殿。このよう時間に何か用かな?」
「お前の気がここ数日ずっと乱れている」
「そういえば少し体が重い感じがするね」
「そんなことをわざわざ伝えにこんなところまで?」
「八葉の気が乱れていると、神子にも害となる」
「それで、私にどうしろと?」
友雅は髪をかきあげながら、苦笑する。
「お前は何もしなくていい。私がする」
ひらり…と一跳びで庭から友雅の部屋へと入ってくる。
「じっとしていろ」
もとより動くつもりはないが、何故泰明殿は顔を近付けてこられているのだろう
「?泰明殿…っん」
泰明殿が口付けを?
何かの術だろうか…?
「口を開けろ」
「…っ…」
それにしても…
拙い口付けだな。
じっとしていろと言われたが、さて、どうしたものか。
「友雅…脱げ」