桜下恋想2

□かわいい君
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沖田、と掠れた声が名前を呼ぶ。
艶やかな喘ぎ声が落ちて、水の膜を張った紅い瞳が僕を見上げてくる。

くちゅと風間の内に沈めた指で、ぐるりと内を掻き回すと、僕の腕を掴む手に力が込められる。

何時だって傲岸不遜、僕よりも強い彼が、無防備に横になって、僕が内に入れたたった二本の指に身体中の意識を向けていて、委ねている様は、どうしようもなく愛しい。

「沖田…」

また、請うように名前を呼ぶ。
風間の反り返った自身は限界が近いのか、淫らに震えて、溢れてくる蜜は指を埋めた場所まで濡らしている。

「なに、どうしたの、風間」

聞かなくても、風間が望んでいる事は分かる。
けれど、言わせたくて、わざとらしく聞くと、案の定風間は僕を睨んでくる。
でもね、そんなうるうるした目で睨まれても、可愛いだけで、全然怖くないし、恥ずかしがられたら余計に苛めたくなる。

「もう……挿れて、欲しい…」

小さな声が、悔しそうに返してくる。
僕は内の指をことさら乱暴に動かして、内壁を擦る。

「入れてるでしょ、指」

「貴様…」

風間の瞳は、綺麗だ。
その紅玉の瞳は、普段も好きなのだけど、欲情を湛え潤む様は特に好きだ。
腕を掴んでいた風間の手が離れていく。
離れてから、風間の手の熱に気付いた。
その手はそっと僕の下肢に伸びて、衣服の上から僕自身に触れる。

「指じゃなくて、…貴様の、これを…」

「仕方ないなぁ」

言ってはみるけど、僕だってもう我慢出来なかった。
指を抜いて、手早く取り出した自身を、物欲しげにひくつく風間の後口に宛がうと、風間の手は再び僕の腕にそっと添えられて、熱が伝わってくる。
そのさりげない、多分意識してない仕草は、無意識で僕に触れていたいと思ってくれているのかな、そう思うと可愛くて嬉しくて、気持ちを昂らせる。

ゆっくりと自身を風間の内に沈めていくと、ぎゅっと腕を掴んできて、衝撃に耐えるようにする。

何度してもやっぱり最初は辛いのだろう、眉を寄せ目を閉じて、微かに体が強張る。
早く挿れてあげよう、グッと腰を進めて一気に全て埋めると風間は短く喘いで、体を震わせて脱力した。
同時に風間の内側が絡みついて締まって、僕は持っていかれそうになるのに耐える。

「え、風間…?もう達っちゃった?」

風間の顔から視線を下げると、風間は自身の腹を白濁の液で汚している。

「入れただけで達っちゃうなんて、いやらしいね、そんなに欲しかったの?」

風間の腰を抱き直し揺すり上げると、風間は閉じていた目を開けて、僕を見つめてくる。
その蕩けた瞳は堪らなく扇情的で、目尻から雫が流れる。
多分生理的な涙だろう。
僕は顔を寄せてその雫を舐めとる。

「貴様が、焦らす、から…」

僕の首に腕を回して拗ねた声を出す風間に笑って、動いても良い?と問う。
風間は小さく頷いて、僕は腰を動かし始める。

「んっ……あ、…」

控えめに漏れる甘い声。
僕は溺れるように風間を抱いた。









up/2016.04.18

ちょっと軽めにさっと読めるエロが書きたかった…。
トコロテンな風間さんが書きたかっただけだ。

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