+challenge+

□愛しています
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「もし、瑚蝶が敵だとしたら、俺はもう死ぬしかないんだよ?」


突然なんの脈絡もなしになんの話なんだ。
あたしの方を向いて、いつもだったらありえないような真剣な顔をして言うもんだからこっちもつられてしまうじゃないか。

「なによ、綱吉はあたしより全然強いじゃない。あたしなんて瞬殺でしょーが」

あたしは至極真っ当な答えをこのボンゴレボス様に返した筈なのに、綱吉はまじ こいつばかか。みたいな眼をじとーっと向けてくる

「そういう意味じゃねーよばか」

「なんだと!?だれがばかだ!あたしは当たり前のこと言っただけでしょ?!」

「ほら、それがばかなんだって。俺が当たり前のことわざわざ言う訳ないだろ」

た、たしかに。。。
この極度の俺様は最低限のことしか言わないくせに、それで分かれとかいってくるやつだった。うっかりしてたよ…

「だったらなんなのよ!てかまず前提がおかしくないか?あたし綱吉の敵じゃないもん。」

「だからもしもの話だってば。で?意味わかったわけ?」

「。。。。。。分かるかこんちくしょー!!!」

「そ。じゃあもうお前ずっと悩んでろよ。あ、瑚蝶の頭じゃ一生分かんないか」

かっちーん。。。。
綱吉はあたしをどれだけ馬鹿にしてるんだ。ふざけるなよ。。。

「そんなことないし!!もう分かったし!」

「へぇ〜〜〜〜。じゃあ言ってみろよ」

言えるもんなら言ってみろみたいな感じですか。いや、言えないけどもね!

「………ごめんなさい」

「別に構わ…いや、やっぱ許さない。俺に嘘つくなんてさ」

綱吉は悪い事を思いついたようににやりと笑う。
ちょっと!今絶対「別に構わない」って言いかけたはずじゃん!なんなの!

「どうしろって言うの。。。あんまり無理難題は止めてよね」

綱吉はもうすっごいにやにやしてて悪い予感しかしない。テーブルに肘をついて
こっち向いてる。顔向けないで。

「愛してるっ言ってよ。皆の前で。」

絶句。

「いいい、言える訳ないでしょ恥ずかしい!綱吉バカじゃないの!綱吉がバカじゃないの!」

ちょっともうほんと意味分かんないですよ!ていうか意味分かんない!

「あっはは!瑚蝶、お前顔真っ赤だよ!」

顔っていうか耳まで赤い自信があるわ!
とりあえずテーブルに突っ伏して綱吉にからかわれない様にしてる筈なのに綱吉 さんったら爆笑ですね。

「じゃあ今でいいよ。それで許してあげる」

ひとしきり笑った綱吉は目尻に溜まった涙を拭いながらまた意味の分かんないこ とをほざいてくる。
っていうか涙出るほど笑うとか。。。
酷すぎない?

「ちょっと、勘弁してよ...」

「だめー。ホラ、早く」

だめー、とか。可愛く言ってもあたしはほだされないから!
。。。から

「瑚蝶ってあんまり言葉にしてくれないから、俺ちょっと寂しいんだよ?」

........

「ー〜っ、あい、してま、す!!こ、これで良いでしょ!?」

ほだされた。絶対あんなこと思ってなかったって!でも、凄い嬉しそうに、綺麗 に笑うから。あたしもちょっと嬉しくなって笑い返した。
綱吉かっこかわいい。

「うん、ちゃんと録音したし。許してあげる。じゃあ俺任務あるから、行ってく
るね」

「はぁ!?ろ、録音とか、え?空耳だよね?ちょっと綱吉!?待って、行かない で!消して!データ消してからにしてっ!」

「行ってきまーす」

「ちょっと!!」

信じたくない爆弾発言を残してさっさと部屋から出ていってしまった綱吉を追っ て部屋から顔を出してみたけど綱吉はもういなくなっていた。ほんと、足早いんだから。
綱吉はいっつもあたしを困らせて笑ってるし、腹黒いし、俺様だけど、でもやっぱり好き。
惚れた弱みってやつだよ!やっぱりあたしは何にしても綱吉には勝てないんだ。



((ほんと何であいつに惚れたんだ))
(俺の言いたかったこと、伝わってねぇんだろうな)
(綱吉になに言われても、やっぱり好き!)


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