捧げモノ&貰い物

□痛い初恋
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小十郎に連れられて政宗の元へ行く。

部屋に入ると政宗が手招きをした。
未怜は政宗の前まで行き座って兄の顔をよく見る。

ざんばら髪で眼帯をしていて一見チャラけて見えるがその鋭い眼光がただ者ではないことを証明している。

そんな兄はいつ見ても飽きない。

−やっぱりお兄ちゃんって好きだなぁ〜

未怜はうっとりする。
「そうだ!お兄ちゃん体調は万全?」

見た目は傷一つないのだがもしかしたら服の下には…とつい気になる。

政宗は破顔して乱暴に未怜の頭を撫でる。
「安心しろ、傷は全部癒えた」

「本当に?実はまだ治ってない傷とかないの?」

政宗は笑みを苦笑に変える。
「未怜まで小十郎みたいなこと言うなよ」

「だってお兄ちゃんいつも無茶ばっかりしてるもん」

「同感です」
小十郎も加わる。

「……」
政宗は妹にまでそう思われていたのだと顔をひきつらせた。

「で、何であたしを呼んだの?」

それた話題を本題に戻す。

「あ?あぁ、また戦に行かなきゃならねぇ、いつも未怜は付いて来るが今回も大人しくここで待ってろ」

「えっ…何で!私も付いて行く!!」

「風邪治ったばっかりだろ?」

「もう完治したもん!!外出てもいいってば!!」

「何でそんなき来たがる?」

「それは…」


「戦の時は兄が心配だから傍にいさせて欲しい!」
などとは言えない………

「とっとにかくお兄ちゃんが駄目って言っても付いて行くから!!!」
未怜は思わず立ち上がって叫んでしまった。
そしてハッとなって口を押さえる。

政宗と小十郎はいつもとらない行動に目を丸くしている。

「…」

「…」

気まずい沈黙が走る。

「まっ政宗様…未怜様もここまで言うのですし、連れて行ってもいいのではないでしょうか……?」

「チッ…しゃあねぇ…ただし絶対邪魔をするな!OK!?」

「イエッサー!!!」
未怜は兄に教えてもらった答え方で張り切って答えた。
こうなったのは小十郎が助け船を出してくれたお陰だ。

−後でお礼しよっと

未怜はクスッと笑うと立ち上がる。

「じゃあもう戻るね」
政宗にそう言って小十郎を引っ張って部屋を出る。

自分の部屋の前に来ると未怜はくるっと小十郎の方を向く。

「さっきは助け船出してくれてありがとっ!!お陰で助かっちゃった」

「それはどうもありがとうございます」
小十郎は照れている。
「じゃあこれはお礼ね」
未怜はつま先立ちをして小十郎の顔に手を添え頬にキスをした。

「みっみみみ未怜様ー!!!!!??一体何を!!!!」

「何って昔よくお兄ちゃんがあたしに礼をする時こうしてくれたから…」
未怜は小十郎のあまりの慌ってぷりに首を傾げる。

小十郎は真っ赤になって慌てふためいている。

「そう言われましても…私と未怜様はかっ家族ではありませんし!!!!ですからこのような事は!!」

「いちいちこじゅは五月蝿いよ〜別にいいじゃん、」
未怜はそう言うと自室に入っていった。

小十郎はしばらくパニックになっていたとか
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