番外編

□番外編之六「守人の追憶」
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 そうさなぁ…。
まぁお前も少しは知ってるだろうけどよぉ。
そもそも、月守の家は、始祖の第二子…長女が祖となる光月の家の分家ってやつで。
月守の当主は、第一条件として治癒魔法の才があること。第二条件として…まぁ、条件て言えるのかいねぃ?男児であることが望ましい、とされていて…とにかく、治癒魔法を使えることが重要視されてたってぇわけだ。
光月の人狼の血は男の方がでやすくて、しかも男系家系ってのみたいに、月守の家は生まれるのは女が多い上に、男が生まれても治癒魔法が使え無いことが多い。
…まぁ、もともとは水の精霊の力だからな。
水の精霊は女ばっかだし。
そんな中でオレは…姉貴の弟として生まれて…
その当時姉貴はもう初等学校の上級生で、治癒魔法も使えるようになっていた。
だから…俺が生まれなかったら、文句なしで姉貴が跡継ぎになってたんだろうなぁ。
でも、俺は生まれてきた。
だから、親父たちは俺に期待したんだ。
けど…なぁ…
俺は、全然…全く治癒魔法なんか使えなかったんだなぁ。



「え…?全く使えなかったんですか?!でも…今…」
朔弥は驚きを隠さない。
「ま、いろいろあって使えるようになったんだけとねぃ。まぁ、話はこれからだぜぃ?」
「あ…すみません。」
「まぁ、そんなんだから…親父たちは残念だっただろうねぃ…。」




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