本編

□第六話「離れ小島と湖の主」
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 「なぁ、ホントにコレ大丈夫なのか?」
「何?僕の魔法を信じられないの?」
小さな船の中から、声や口調から少年同士のものと思われる会話が聞こえてくる。
「いや、別にそういうわけじゃないんだけど…」
先の二人とは違う、また少年の声がする。
「ショウ、それならソイツを黙らせろ。」
ショウと呼ばれた三つ目の声の主は、物騒なことを言い放つ青年の声にさえぎられた。
「イオ、てめぇは黙ってろ。ショウもバカなことすんなよ。」
ちなみに、この先ほどからやたらと無礼なこの少年は…
「バカなことって…。ったく、カルロは…」
カルロという。
「いいか。いくら『魔法で船強化しましたー』なんて言われてもな、こーんなガキの魔法だぞ?そんな簡単に信じられるかよ。」
「魔法に年齢はあんまり関係ないんだよ?カルロ。」
「てゆうか、僕の実年齢前に言わなかったっけか?」
「クロをガキなどと呼ぶなと言ってるだろう!」
カルロの言葉に、三者三様のツッコミが入る。
「ふん。そんなんオレは知らねぇし。何年生きてようがガキはガキだろうが!ってか、そんなに言うならイオみたいに『クロ』って呼ばせろよな!クルソウドなんて長ったらしい名前一々呼んでられるかボケェ!!」
やっと名前が出た、クロことクルソウド。
この四人…ショウ、カルロ、クロ、イオ…で、彼らは船旅をしている。


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