番外編

□番外編之一「月の守人」
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番外編之一 月の守人


 人の住むのとは違う世界。そこは、一つの王の一族の元治められている国家がある。
そして…その国には、古くから王家に忠誠を誓い、信頼を寄せられている一族がある。姓は光月。月の光のもとその身を獣に変化する人狼の一族である。
その家の現当主光月巧真の元に訪れていた男がいた。
「いやぁ、忙しいとこすみませんねぇ。」
「いや…。あの時は世話になったな。」
「んで?その後、どうです?…朔弥ちゃんは。」
「…血止めが早かったおかげで、大事には到らずにすんだ。…礼を言う。」
「そりゃよかった。」
「…月森の者には、いつも世話をかけるな。」
「お互い様ってやつでさぁ。それと、その言葉なら姉貴に言ってやってくだせぇ。」
「…わかった。」
「じゃ、俺はこれで。…姉貴によろしく言っておいてくだせぇ、光月の旦那。」
そう言って彼は、巧真の元を去った。


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