本編

□三章「キザハシ」
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三章 キザハシ


 魔界暦二三六二年(和羅(かずら)百三四年) 白神の月(秋)
王家に仕えるものたちを取り仕切る事務所。
「おはようございます。」
昨夜から『巧夜』は父と共に任務に出ており、その報告に帰ってきていた。
「お、巧夜。今帰りか?」
「あ、アレスさん・・・。はい、昨夜から任務がありまして・・・。」
アレス=クリエ。「巧夜」の先輩で、魔界の第三十七子。しかし、全然飾り気がなく、気さくな性格。
初等学校卒業後、十一歳で兵学校へ入り、翌年には卒業(卒業までにかかる年数は一〜十年程と決まってないが、三年から五年程が一般的である。)、十二歳で光月巧真のいる部隊へ当時の部隊最年少で配属された…という経歴の持ち主。
八歳の『巧夜』が巧真に連れられてきた時には十三歳で、年齢の一番近い彼が世話役を任されていた。
『巧夜』と巧真の微妙な関係も感じ取っているのだろう、今でも何かと「巧夜」を気に掛けてくれている。
そのため、「特に親しい人」というものをあえて作らないようにしている朔弥も、少なからず気を許している存在である。


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