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□まずはお知り合いから
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「結婚してください」

いきなり呼び出されて、いつものか、なんて思って裏庭までついて行けばコレや。

どうやらいつものではなかったらしい。
いや、いつものとかそういう問題ちゃうやろ。
ケッコンってなんや。血痕か。つまり一緒に血まみれになってください、と…んなアホな!嫌じゃボケェ!

くそ、あまりの衝撃に1人で脳内漫才してしもうたやないか。
しかも、クオリティ最低や。
それもこれも全部奇想天外な発言しよる目の前のこいつのせいや。
どうしてくれるんや。

自然、細められる目。

「あ…やっぱりダメ、ですよね…」

そらそうや。順序間違っとるやろ。
そもそも俺結婚できる歳やないし。

あ…いや、それもちゃうやろ自分。
コイツとは付き合ってさえおらん…ちゅーか名前も知らん。

「じゃあ、お友達からでお願いします!」

「は?」

「え、それもダメですか!?」

「や、そうやなくて…」

そこは"付き合ってください"ちゃうの?
あかんわ…奇想天外すぎてついていけん。
つか、結婚ダメなら友達って極端すぎるっちゅー話や。

「じゃあ、とりあえずお知り合いからで!」

「はあ…」

俺は自然に出た、ため息に近いそれで同意を示す。

なんかもうめんどくさ。
ペース乱されまくりやし。

「勝手にどーぞ」

「はい!ありがとうございますっ!」



第一印象は変なやつ。
会話がちゃんと成立してんのかもようわからんし。

だから、ありがとうございます、と笑ったそいつにドキッとしたのは絶対気のせいや。
これが恋なんてまさかそんなことあるわけない。

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