□僕のお兄ちゃん(完)
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「んっ…ふぅんっ…ゔ……」

ギイ…


「未来、いい子にしてた?」

「!?」
帰ってきた…
お兄ちゃんが…














大好きなお兄ちゃん

優しいお兄ちゃん

強いお兄ちゃん

格好いいお兄ちゃん


そのすべてを打ち砕かれた。






僕は昨日、初めて精通した。
両親は居なくて、お兄ちゃんを頼るしかなかった。
お兄ちゃんなら何とかしてくれると…

僕はトイレからズボンを履かずにお兄ちゃんの部屋へ向かった



「ぅえっ…ひっく…ぐすっ…」
両手で目を擦りながらお兄ちゃんの部屋に入った。

「未来!?どうした!?」

勉強中だったのか、椅子から降り駆け寄ってきてくれる

「ぼく…僕っ…病気になっちゃったぁぁっ!!」

しゃがみ込みながら顔を伺うお兄ちゃんに必死に抱きついた


「みっ未来!?」

お兄ちゃんは驚いたように声を上げる

「うぇっぐ…ひっく……」

「未来?どうしたかちゃんと言ってごらん?なぜズボン履いてないんだ?」


「ひっぐ…あのね、おしっこがね、…白くなっちゃったのぉっ!」

優しく頭を撫でながら、うんうん、と聞いてくれる


「白く…?あぁそうか…未来?それは病気じゃなくて、精通って言うんだよ」

「せー…つぅ?」


僕は顔を上げ、お兄ちゃんを見る。

お兄ちゃんは優しい顔をしていた。


「そう。せ、い、つ、う。大人に一歩近づいたんだよ」

「大人ぁっ!?」

僕は嬉しくなり、満面の笑みで目をきらきらさせた。




お兄ちゃんの怪しい笑みにも気づかずに。
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