□灯籠
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カチャンカチャンと食器が鳴る音がする。
その音で目が覚めた


「ん…んぅ」

重い目蓋を上げるとぼんやり従の姿が見えた

「あ、優様。お目覚めになる頃だと思ってました。暖かいスープを用意したのでお飲み下さい。暖まりますよ」

「ん…っ」

ゆっくりと体を起こすと体中がギシギシとしなった


「っ…痛い」

「大丈夫ですよ、あとで優秀な針治療の医師が来ますから」


「針治療…?」

はっきりと声を出せば枯れている事が分かった

「はい、龍様がお呼びになりました」

まだ最初のように、龍という言葉に敏感で体を強ばらせてしまう。


「…、それでは。またなにか有りましたらお呼び下さい。」

一瞬、従は悲しそうな顔をしたが、声を掛ける前に一礼して部屋を出ていってしまった


部屋には美味しそうなスープの香りが漂っていた


「…おいしい」


一口含むと程よく調合されたスパイスの染み込んだ野菜が中でとろけて口いっぱいに広がる

多分あの男の事だ。有名などっかのシェフが作ってるのだろう、まさに絶品と言う言葉がぴったりだった
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