○
□からまわり
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「…手塚先輩?どこまで行くんすか」
今、越前リョーマはテニス部の部長であり恋人でもある手塚国光に腕を引かれ半ば引きずられるように廊下を歩いていた
「先輩、部活始まってますよ」
「…」
「先輩!」
さっきから一言も喋らない手塚にしびれを切らしたリョーマが声を荒げた。
すると、スタスタと歩いていた手塚が急に立ち止まり、近くにあった空き教室にリョーマを押し込んだ。
「っ…てぇっ、なにするんすか」
押し込まれた衝撃で机の角に腕をぶつけたリョーマが、その右腕をかばいながら手塚を睨みつける。
しかし手塚は相変わらずの無表情のまま、やっと口を開いた。
「…どういうつもりだ。」
「は?なにがすか」
やっと喋ったかと思ったら意味不明な事を言い出した手塚に、リョーマは呆れ顔で返した。
「どういうつもりかと、聞いているんだ。」
「だから!何がって言ってるじゃないっすか!」
よく見てみると、なんとなく怒っているようだった。
「…怒って…る?」
「…ああ」
「え?なんっ…んんっ」
最後まで言い終わる前に、リョーマの口は手塚の唇に奪われていた。