ボクとキミの夏の空
□大雨注意報
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人の心は儚くて
いつか壊れてしまうかもしれない
人の欲は深くて
いつか溢れてしまうかもしれない…
◇◇◇
「…うゎ‥雨だ…」
この夏、初めての雨。
東雲くんと一緒の、初めての雨の日…。
「‥‥へへ」
その、何でもない日常が嬉しくて…思わず笑みがこぼれた。
今日はいつもより早く家を出て、東雲くんを迎えにいこう。
そう思って玄関に行くと、今日に限って『あの人』がいた。
多分、これから外で集まりがあるんだろう。見たことのないスーツを着ている。
俺は黙って靴をはくと、スッと隣をすり抜けて、歩き出そうとした。
でも…それは後ろからかかった声によって阻まれる。
「‥空。乗りなさい」
あぁ、どうやら今日は東雲くんと登校出来ないみたい…。
ごめん‥と心の中で呟いて、俺はあの人を振り返った……。
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