ボクとキミの夏の空

□大雨注意報
1ページ/3ページ



人の心は儚くて


いつか壊れてしまうかもしれない


人の欲は深くて


いつか溢れてしまうかもしれない…







◇◇◇

「…うゎ‥雨だ…」

この夏、初めての雨。
東雲くんと一緒の、初めての雨の日…。

「‥‥へへ」

その、何でもない日常が嬉しくて…思わず笑みがこぼれた。

今日はいつもより早く家を出て、東雲くんを迎えにいこう。
そう思って玄関に行くと、今日に限って『あの人』がいた。
多分、これから外で集まりがあるんだろう。見たことのないスーツを着ている。

俺は黙って靴をはくと、スッと隣をすり抜けて、歩き出そうとした。

でも…それは後ろからかかった声によって阻まれる。



「‥空。乗りなさい」



あぁ、どうやら今日は東雲くんと登校出来ないみたい…。
ごめん‥と心の中で呟いて、俺はあの人を振り返った……。



.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ