ボクとキミの夏の空
□オレとキミの奇妙な関係
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<オレから見たアイツ>
ジリジリと真夏の太陽が照る教室の中。
授業中だが、暑さのせいで先生の話なんかろくに耳に入らない。
(…暑い…)
せめてクーラーがあれば。そんな事を考えながら視線を窓に移すと、そこには雲一つ無い空。
いっそのこと曇ればいい。この眩しいくらいの青空が消えるくらい…。
暑さに苛立っていると、また先生が黒板を書き始めた。
もう何をする気にもなれなくて、諦めたように机に頭を伏せる。窓の外から聞こえる蝉の声も、教室内の先生の声も、雑音にしか感じない。
ふと、先生がクラスの奴の名前を呼んだ。
聞いたことのない、名前。
それから少し間を置いて教室に少し高いテノールが響いた。
さっき名前を呼ばれた奴の声だろうか…。なぜかとてもその声が心地よくて、俺は授業の終わりまで眠り続けた‥‥‥。
(…この声の奴、名前……なんだっけな…?)
久しぶりに心地よい、午後の昼下がり。
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