頂き物
□COLOR
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僕を取り巻く世界には、たくさんの色がある。
たとえば、空の青だったり。
芝生の緑だったり。
林檎の赤だったり。
黄色いボールだったり。
色とりどりだ。
色のある世界はとても華やかで綺麗で被写体にするには申し分ないけど…。
でも…。
色のない世界…って言えばいのかな。
そう、例えるなら、一面の白。
雪景色も、それはそれで美しいと、僕は思うんだ。
『COLOR』
「やった♪一番乗り!」
「不二、走ると転ぶぞ」
「大丈夫だっ…っ…うわっ!」
返事をしようと振り返った途端、僕は見事に足を滑らせて転んでしまった。
咄嗟に片手をついてかばってはみたものの、おしりを地面に軽く打ち付けてしまって、なんとも情けないったら。
「だから言っただろう」
あきれた顔をして手塚が近づいてくる。
差し出された手につかまって身体を起こすと、僕のコートについた雪を手塚がはらってくれた。
「ありがと」
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