Novel
□メール
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最近、不二はよくメールをしている。
俺といる時も、ある着信音がなるとすぐにメールの方に関心を移す。
誰だろう・・・・・・
正直気になった。
不二が俺よりも優先するメールの送り主が。
だから、平静を装って尋ねることにした。
「よく、届くな。」
「えっ、あぁ、メール?佐伯がどんな些細なことでもメールしてくるから。」
不二の口から出てきた名前。
確か不二の幼なじみ。
だからそんなに親しいのか。
「へぇ〜、部活でそんなことが・・・」
楽しそうに笑いながらメールを読む不二。
はっきり言って気に入らなかった。
自分以外の存在が不二にそんな顔をさせるのが。
「楽しそう・・・・今度遊びに行こうかな。」
不二がそう呟き、メールを返信しようとした時。
「手塚・・・・・?」
俺は不二の手をつかみ、壁に押し付けていた。
「どう・・・・・したの?」
驚きのせいでかすれている不二の声。
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