Novel
□友情が愛情に変わる瞬間
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手塚と不二が初めて出会ったのはテニス部に入部した時だった。
お互いに第1印象は普通で特に仲良くなりそうなわけではなかった。
不二は菊丸と、手塚は大石と親しくなり、ダブルスを組んだ二人を通してやっと話すようになったのだ。
だが、一度話してみたら驚くほど気があった。
趣味も考え方も違う。
なのに、二人は一致したのだ。
まるで、パズルのピースが当てはまるかのように、隣にいるのが当たり前の存在に感じられた。
それから、二人が親友になるまでさほど時間はかからなかった。
◇◆◇◆◇
「あっ、手塚!」
「不二!何をしてたんだ、こんな時間まで。」
テスト期間に入り、部活は休みとなった。
手塚は、生徒会の仕事を片付けていたためいつもと変わらないこの時間に校門を出たのだ。
「僕は図書室で勉強してたの。」
笑顔で言われた言葉に手塚はうなずいた。
「手塚も一緒に勉強できたらよかったのに・・・・・・」
「そうだな。今度、するか?」
「本当!?じゃぁ、その時数学の・・・・・・」
話ながら二人は道を進んだ。
夕焼けの光をあびて、影が長くなる。
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