Novel
□花見
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『ねぇ、手塚。お花見行かない?』
春休み真っ只中、手塚の元に不二からメールがきた。
朝、突然のメールだったが不二を溺愛している手塚が断れるはずがない。
すぐに了承のメールを送ると、待ち合わせ時間と場所を決めすぐに行く準備をはじめる。
◇◆◇◆◇
「あっ、手塚早いね。」
待ち合わせ時間より30分以上早く着いた手塚は、本でも読んで時間を潰そうと考えていた。
が、すぐに不二が現れた。
「不二こそ、早いな。」
「だって、早く来たらたくさん手塚と一緒にいられるでしょ?」
「そうだな。」
可愛い理由に微笑む手塚。
不二も幸せそうに笑う。
「行くか?」
不二に手を差し出す。
「うん!」
不二はとびっきりの笑顔を浮かべると手塚の腕に抱きつく。
歩調を合わせて歩きだし、いろいろな話をする。
「でね、姉さんたら僕のこと『妹よ。』って紹介するんだよ。」
ひどくない?とほほを膨らませて言う不二。
「そうだな。」
すぐに肯定すると「そうだよね。」とまた文句を言い出す。
「僕が女の子みたいに可愛いからつい。なんて、言ってさ。」
「それは違うな。」
「何が?」