Novel
□桜
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もうすぐ新学期が始まる春休み。
不二は手塚の家に遊びに来ていた。
高等部に進学する二人は春休み明けにあるテストのための勉強をしていた。
「ん〜〜。」
大きく伸びをする不二。
「もう、こんな時間だね。」
かれこれ2時間近く休み無しで勉強していた。
「・・・・・少し休むか?」
不二を気遣い手塚は尋ねる。
「うん、そうしたいな。」
二人は教科書を閉じる。
「手塚、庭に咲いてるのって桜?」
「あぁ。祖母のために植えられたらしい。」
「へぇ・・・・・」
窓から身をのりだしながら不二は桜を見つめる。
「側で見たいか?」
尋ねればすぐさま振り向き輝いた瞳が手塚を見る。
「いいの?」
頷くと不二は手塚の腕を引いて部屋を飛び出した。
◇◆◇◆◇
「綺麗・・・・・・」
一階のある和室に入り外に面する襖を開けると目の前に桜の木があった。
ため息をつき桜を見つめる不二。
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