Novel
□初恋〜手塚side〜
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青学に入学して数ヶ月が経ち、季節も春から夏へとかわった。
「いい天気だな。」
雲一つない青空を眩しそうに見つめながら、手塚は呟いた。
今日は珍しく部活が休みで、朝から久しぶりに図書館に行こうと考えていたのだ。
「出掛けて来ます。」
「行ってらっしゃい。お昼はどうするの?」
「適当に食べます。」
「気をつけてね。」
「はい。」
母親に見送られて手塚は家を出た。
家から歩いて行ける図書館に向かう。
「ん?」
「手塚?」
道の途中で大石と出会う。
「手塚、お前も図書館に?」
「あぁ。大石もか?」
「宿題で調べものがあってな。」
「大変だな。」
並んで歩きながら、図書館に向かうことにした。
「・・・・・・・」
「何か顔に付いてるか?」
「いや・・・・・」
そう言いながらも手塚はじーっと大石の顔を見る。
「ど、どうしたんだ、手塚?」
気まずさを感じながら手塚に聞くと悩みながら答える。
「俺の気のせいかもしれないが・・・・・」
「ん?」
「雰囲気がいつもと違う気がしたんだ。」
手塚のことばに、大石は首を傾げる。