名も無き花達
□大切な日々
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――――高校三年。春
俺たちは、輝かしい日々を送っていた。毎日が楽しくて、嬉しくて。いつまでもソレは続いてほしいと、何度も願った。
高校三年。春・・・・
「ラビッ」
木陰から手を振り走ってきたのは俺の彼女、神田ユウ。
「ん?何さ?」
俺は読んでいた本を閉じた。
ユウは、後ろに手を絡めこっちを覗いてきた。
「あのさ、今日デートする約束じゃねーのかよ。」
「あっマジ!?ゴメン!忘れてたさぁ・・・」
俺は両手をこすり合わせて謝った・・・・が。
「んだと!?この馬鹿ラビッ!」
見事なパンチが俺の腹を殴った・・・。
「ナイス・・・みぞ打ちヒット・・本とゴメンさぁ・・・」
仰向けになりながら言った。
許してくれる。絶対にね。そんで宿題してって言うんだ。
ユウは、腰に手をやって一言言った。
「ラビ、勉強頑張ってて大変だもんな。その代わり宿題は写させてもらう。」
「えぇ!!そんなぁ〜自分でやるさっ」
ほら。
「い・や。俺のこと忘れてたんだから。」
「分かったさぁ・・・」
ほらね?許してくれた。俺はユウのことだったら何でもおみとうし。何でも分かる。
こんな事も分かる。今、ユウは絶対欲求不満。
だって最近やってねーもん。
だから不機嫌。
「ユウ・・・・じゃ俺ん家来る?」
「しょーがねーな・・・行ってやるよ。」
「何さそれー!絶対違うさ。来たいんでしょ?」
「ばっ////ちげーよ!!////」
ほら。ユウって分かりやすすぎ。すぐ顔赤くなるもん。林檎より赤い顔に・・・。
行きたいくせに。
「ユ〜ウ〜お腹痛い〜〜連れてってぇ〜」
「んなっ重い!!」
俺はユウにおぶさった。いつものようにじゃれあう。