◇ジロ跡text【2】◇

□【あ】
1ページ/1ページ

【あ】

「跡部の目のフチは、ちょっとほかより色が濃いよね。だから目ヂカラがすンげぇ強いのかなあ‥。いや目つきが変わる瞬間がキッパリしてるから強いのかな。それとも口が悪いから‥ってそれは違うか。だって俺なんか遠くから睨まれてるだけで血圧つうか心拍数があがるもんね。どう思う跡部」
隣に座る跡部は、一方的な慈郎の話も一応は聞いているとみえて僅かなジェスチュアでスタンスを示し、慈郎を笑わせた。
「"知 ら ね え よ …"か、そりゃそうだよその通り。自分のことってマジわかんねェ‥。そーだ。な、俺いまどんな顔してる?」
問われる跡部は、ジェスチュアすらも返さない。
「教えてあとべ」
「…‥ふっ。"跡部に答えてほしい"って顔、してるぜ。…これで当たりか?」
至極真面目な表情をわざわざつけて、慈郎の顔に、自分の顔を近付けてみる。
「当たりだけど‥そんなんずるいよ。そーじゃなくって‥その前の、」
「なあ。おまえの睫毛ってキレーに上向いてんのな。これ勝手に上がってるんだろ?ああ‥目ぇ伏せるとわかんねえって。‥で。…なんて言ってほしかったんだ?」
(同じことすると照れるくせに)
人知れず、笑みを溢す跡部であった。
「聞いててやるから、言ってみろよ」

END.
title【あ】
「跡部に恋してる!」
2008/4/10
Thank you For Your Reading!

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ