まいのーと

□ある日の午後の・・・
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ある晴れた午後のこと。
夏目はいつものように
部屋で宿題をしていた。

「夏目。」

背中の方で声がしたので
振り返ってみる。

「誰、ですか?
あっ名前を返して
貰いにきたんですか?」

そこには背中までの白髪、さらに獣耳に額には
可笑しな模様が入った
少し大柄な男が立っていた
「はぁ、夏目。
わからんのか?私だ」

そういわれてみれば
見たことがある模様だ。

「わからんなら
これでどうだ?」

そういった男はマタタビをかじると先程より
少し小柄な青年に姿を
かえた。
髪の毛は真ん中から灰色とオレンジに分かれている。そして目元と頬のライン。
「斑?先生?」

夏目は何となく雰囲気で
にゃんこ先生の名を呼ぶ。
「今は先生だぞ。
この頭だからな。」

というと畳にあぐらをかく
「どうしたんだよ。先生。人型になっちゃって。」
「うむ、マタタビを手に
入れてな。私にとっては
覚醒剤みたいなものだ。
これで人型に
覚醒出来るんだ。」

斑は手のひらに
少し大きめな巾着に
たくさんのマタタビが
入っていた。

「酔わないのか?」
「食べ過ぎると酔うぞ。
だが酒割りにすると
なかなか旨いんだ。
これがなかなか
止められなくてな。」
「だからいつも酔って
帰ってくるんだ。先生は」
呆れ顔でいう。

「そういうな。夏目。
いつも土産を取ってきて
やってるだろう。」

「いつも蛙とか
虫とかだろ?」

夏目はため息を
吐いて窓を開ける。

「涼しい風だ。」
「そうだな。夏目。」


窓の外を見ると
夕日焼けが見えた。

「この姿はみんなには
見えないのか?先生」

「見えないことはないが
実体化するには
力を使うのでな」

「そうなんだ。
じゃあ今度
実体化してみてよ」

「夏目が一発ヤらせて
くれるならいいぞ」

「じゃあいいよ
実体化しなくてさ」


夏目は窓から遠くを
眺めながらつぶやく。

「それは残念だ。」

「うるさい。
エロにゃんこ」


嘘だから。
本当は夏目が願うなら
無償で実態化でも何でも
してやるよ。


それぐらい愛してる。
――――夏目。

こんな恋、何百と
生きてきて
初めてだこんな恋は





☆END★

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