過去拍手

□夏祭り
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ここは屯所


ジワリと滲む汗を手ぬぐいで拭き、目の前の扇風機の『強』のスイッチを押した。


その時背後から掛けられた声


「アンタはどれにしやす?」


「・・・・・・・」


突然の事で、意味が解らない上に・・・足音したっけ?この人足音もさせないで、背後に立ってるんですけど?


「あの、何の事ですか?」


そのえらく近い距離に、おのずと距離を取ろうとする体


「何でィ、聞いてなかったのかよ?」


「何をです?」


「さっき会議で言ってた話でィ」


「いや、私出てませんし?そもそも会議に参加できる立場じゃないですから?」


「全くしょうがねーなぁ」


えっ!何が?って私そもそもここの正社員(?)じゃないし?!


「じゃ仕方ねぇ、その可愛い(イジメたくなる)顔に免じて、もう一回説明してやらァ」


なんかもの凄い・・・言葉聞こえたんですけどーっ!?


「夏は仕事がうんと忙しい季節でしてね」


「はぁ・・・」


「隊士達も、休みも取れなくなってきてストレスやら不満やら、それこそ性欲やら溜まってくるんでさァ」


「最後の外してください」


「嫌でさァ」


「「・・・・・」」


「で何?何ですか!」


「その色んな溜まったモノを吐き出すために」


出さなくていい・・・


「・・・何かいいやしたか?」


「いえ!言ってませんよっ!」


「そうですかィ?まぁいいや、それで毎年一日だけ『無礼講だ!全員集合!近藤裸祭り』が開催されるんでィ」


・・・絶対イヤ。参加しない。


「ちなみにアンタは絶対参加がさっきの会議で決まりやした」



「「・・・・・」」


「で、今年の祭りは何にするか決めているんでさァ・・・って事で、はいーここで登場ー」


総悟君の気の抜けた掛け声で、わらわらと・・・一体どこで待機してたんですか!?あなた達っ!と突っこみたくなるような、この光景って・・・


前回の拍手も同じような光景を見た気がする・・・デジャブーっ!?


「四人の中から選んで貰らいまさァ」


「・・・やっぱり、そう来ましたか」


「1.近藤さんと布団の中でイケナイかくれんぼ+α」


「あの・・・布団なのかでって?それもイケナイーって?」


「部屋中に布団を敷き詰めて、その中でイ・ケ・ナ・イかくれんぼでィ」


「・・・もうイイデス。それより、あの『+α』って何ですか?」


「オプションですぜィ?何でもよりいっそう濃密なイ・ケ・ナ・イ?」


「・・・・・・」


「2.土方さんとマヨネーズだらけの水泳大会」


「・・・すいません、水泳大会ってどこでですか?」


「ここの庭でさァ」


「えっ!?池・・・とか?」


「いや、ここの庭にクジラさんの形をしたビニールプールを出して。まぁ精々大人は4,5人で芋子状態ですかね?」


「いや!それ水泳大会じゃないしっ!?それもマヨネーズだらけって?プール内で飲食ですか?もちろんマヨを?」


「あぁ、そうじゃなくって、水の代わりに」


「まさか・・・マヨ?」


「あぁ、その通りー全身ヌッメヌメ?もうマヨプレイでィ」


「・・・・・・」


「3.オレとスイカ割り」


「・・・なんか普通ですね?でも良かったです、普通なのが一つでもあって」


「あぁ、普通、普通。普通に土方って言うスイカの頭を真剣で切・・・割るんでさァ」


「どこが普通なんですかーっ!?一番危険な香りぷんぷんさせてますってーっ!」


「4.山崎とミントン」


「・・・はい?」


「4は山崎とミントンするんでさァ」


「またそれですか?でもこの中では一番まともかも?」


「勿論、祭りの日、一日中炎天下でミントンですがねィ?」


「・・・・・・」


「オレと布団の中で、愛の裸んぼ!じゃなかったかくれんぼしようっ!」


「いや、今の一言でどんびきですけど!?」


「オレと二人でマヨに黄色いアヒル浮かべようぜ?」


「それもう世界はまっ黄色ですから!それに清涼感ゼロですっ!」


「オレとスイカ割りしようぜ?赤い飛沫が最高でィ?」


「死人出ますから!それ確実にっ!」


「オレとミントンしようっ!手取り足取り、腰を振って揉んでっ!っていやあの・・・」


「何気に腹黒い山崎さんも・・・お似合いですよ・・・」


さぁまたまた皆が差し出す手!あなたは


あなたなら誰と一緒に過ごしますか?


屯所の一日だけの夏祭り・・・


それはあなたしだい


おしまいのおしまい!




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