novel

□pine for you
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僕の傍にはいつもユノヒョンが居る。

別に傍に居てって頼んだ訳じゃないけど、

別に傍に居るって約束してくれた訳じゃないけど…

でも、いつだって、どこに居たって…ユノヒョンは僕の傍に居てくれる。


それなのに、今日は…




「え〜、それ本当?」

「はい。あ、でもユチョンが言ってた事だから…あんまり信用出来ないですけど」

「あはは、確かに!ユチョンじゃ信用出来ないかも〜」

「ですよね」



「……」

スタジオの隅で楽しそうに話すユノヒョンと女性スタッフを、これ以上ないくらい恨めしげな顔で見ている僕。

少し離れたこの場所にも二人の楽しそうな声は聞こえてくるから、僕の眉間に寄った皺は益々深くなるばかりだった。


…ユノヒョンの傍に居ていいのは…僕だけなのに…

自分の中に渦巻く真っ黒な嫉妬心。

こんなにも汚い感情が僕の中にある事を知ったら、きっとユノヒョンは僕を嫌いになってしまう…


一人で勝手にイライラして、一人で勝手に不安になって、一人で勝手に悲しくなった僕は、小さな溜め息と大きな自己嫌悪と共に騒がしいスタジオを後にした。





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