novel

□unspeakable
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「ふぅ…」



吐き出した煙草の煙を見つめ、


季節の変わり目を告げる
少し冷たい風に身震いした。





職業柄、いつも周りに誰かがいることが多い俺は、
独りになりたくなると
こうして宿舎の小さなベランダに来るようになっていた。








…昔は、独りになるのがあんなに怖かったのにな…







幼い頃の苦い記憶。
今でも疼く過去の傷跡。




俺は本当にたくさんの「別れ」を経験した。


その度に、
強がることばかりを覚えて、

いつしか
本当の気持ちを隠し、
偽りの笑顔にすり替えるようになっていた。










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