小説『神界大戦』

□神界大戦「誰が為に鐘は鳴る」
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結婚式のリハは何度もやってきたが何度やっても慣れないものだ。

第一こんな動きづらい服じゃかったるくて仕方がない。

…けど彼女のウェディング姿はかなり綺麗だ。人生で1番の晴れ舞台
になれば良いと思ってはいたが、本当にここまで彼女が変わるとは思わなかった。
女性は身に付ける物一つでイメージがコロッと変わってしまう。

生まれ変わるなら女がいいナぁ、、、


大広間に相手側の両親とその親戚の人達が集まってきた。正装をきた長身の男から、子持ちのパートをしてる若い奥様方まで色んな人が来てる。
皆相手方の知り合いだ。俺は日記にも書いたとおり誰も呼んでいない。

大勢居る中で一際凄まじいオーラを出すやつがいる。

「なぜ、お嬢様があのようなわけも分からぬ研究員なんかと…」

「私も納得は出来ていませんが、娘の決めたことですので。」

真っ赤に着飾った女性と、真っ白なワンピースを着た女性が不満そうに会話をしている。
そこに一人のいかつい男の人が駆け寄る。

「おい。やめないか…めでたい席だぞ。」

50歳近くに見えるその男は、小声かつ力強く女性2人に言った。だがだが収まる様子はない。

「けど、結婚して不幸になるのはあの子なのよ!過去にどんなことをしてたのか調べても全く何も分からなかった事を忘れたの?」

ワンピースを着ているのはどうやら彼女の母親だろう。。。あ、そうそう俺は両親と逢うのは初めてじゃない。でも挨拶したとき俺は顔をまともに上げることが出来ずずっと下を向いていた。
だから、彼女の両親の顔をほとんど覚えていない。

「過去の経歴などが分からないことは事実、だがうちの娘が決めた相手なんだ。信じてやるしかないだろ。」

いかつい癖して良い事言うじゃんか。どうやらこっちは親父さんらしい。
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