小説『神界大戦』

□神界大戦「誰が為に鐘は鳴る」
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西暦25XX年6月1日


結婚式当日、、、





「ねぇ!まだぁ!」
1階から溜息を込めた言葉が飛んで来る。

8時には家を出なきゃならんのに俺が寝坊。。。昨日腹を壊して寝れなかった(笑)

(くそっ!この腹痛はなんなんだっ!!かなりやばいぜ!戦時にだってこんな事無かったのにぃー!!)


そう…俺は今朝からトイレにこもったまんまだ…
ドア越しに溜め息が聞こえる。

「はぁー」


(なんて様だ…今日こそかっこ良く決めねばならんトコなのに!)


。。。数分後


腹痛をどうにかした俺は車の方に向かった。やっべ遅刻する!

車の側に彼女がよっかかって
不屈な顔をしている。

「ちょっと!待たせすぎなんだけど!」

普段あまり怒ったりしないのだが、さすがに今回は俺のほうがまずい感じになってる。。。とりあえず出来る限り低い態度で俺が言う

「ご、ごめん。腹が…」

かっこ悪い発言だがこういうときハッキリ言った方が相手も納得する。こんな事で結婚破棄なんてされることは無いだろう。
女ってのは嘘をつくと、結構しつこいんだよ。自分が嘘をつくときは徹底的に裏を隠すくせにさ。

「なんか言いたそうだけど?」

眉にしわを寄せた表情で俺を軽く睨む。

「そ、そんなこと無いです」


なんだこのギクシャクした感じwwこれから結婚式だってのに朝っぱらかこんなんじゃ先が不安だぜ。高い金払ってんだから良い結婚式にしたいのによ。
700万くらいは払ったんじゃないか?

え?金に細かいヤツは嫌い?
いいんだよ別に。いずれは奥さんが財布の紐を握るんだから。

―――――

式場は平塚にある。
駅から近いから便利である。

この式場を作ったのは「労園建設」の「纏山項津(まといやまこうつ)」という男がリーダーを勤めるグループだ。
この団体は、(株)エンノライズ会社の支援を受けていて、資金的にかなり潤っている。
欠陥工事などが囁かれている中で
こういった潤った建設団体が存在するのはかなりまれな話だ。

当然この式場は一級建築士を関係者として何人も招いているため、欠陥のけの字もあるはずがない。
デザインは「唐虞邦光(とうぐくにみつ)」という男が仕立てた。
完璧なまでに洋風にこだわり、和を嫌うこいつは、この手の業界では異端児的だがシンプルでクールなデザインを好む若者層からは支持が厚い。ちなみに今はゲームクリエイターとしての活動が強い。



…多趣味で多才能な男だ。

「お客様…」

「…」

「お客様。おつきになりましたが。。。」

「はっ!!」

いつのまにか式場に到着していた。突然身体が緊張してくる。
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