ぼくらは、みんな、いきてる
□mission8
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「宍戸さん、…側に、居て下さいね…」
禁止エリアから逃れる為に歩き続ける中、長太郎は10分に一度程のペースで俺にそう言ってきやがった。
微かにその声は震えていて、恐怖を十分感じ取れる。
それでもコイツは俺より前に出て、デッカイ身体で守ろうとしてるんだ。
馬鹿だな、俺だって何考えてるかわからないだろうが。
優しいフリしてお前の側にいるだけなのかも知れないだろうが。
お前にとって俺は都合の悪い人間なんだってば。
「俺、宍戸さんが側に居てくれて良かったです。」
「何言ってやがんだよ…」
「だって絶対宍戸さんなら守ってくれるって信じれますもん俺」
「宍戸さんが、居てくれて良かった。」
やめろよ長太郎。
そんな風に言うなんて。
こんな俺が側に居て
良かったなんて。
「…長太郎」
「え?」
「俺は最低だ。」