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□m,e,l,t
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そう言って、跨ってきた久保ちゃんに、硬く猛った熱を下腹に押し当てられると、腰がびくん、と跳ねてしまう。

「…いい?」

「くぼちゃん、それっ、反則…っ」

熱を押し当てられたまま、腰をゆるゆると揺さぶられ、乱れる息を止められない。

―――久保ちゃんが、全身で俺を欲しがってる。

そう思うと、胸が苦しくて、久保ちゃんが求めてる顔を想像するだけで、達してしまいそうになる。
俺だって…俺の方こそ、こんなに、久保ちゃんが欲しいのに。

「時任…ちょうだい…?」

「ふっ…ン、それ、こっち、の…っ、セリフ…」

名前を呼ばれたら、もう我慢がきかなくて、久保ちゃんに両腕を回して引き寄せ、噛みつくみたいなキスをする。
久保ちゃんと目が合って、苦しいくらいの灼熱が、俺の中にゆっくりと入ってくる。

「あ…っん、ふっ…」

その熱さと存在感、久保ちゃんから漏れる吐息を肌で感じて、うわずった声が止められない。

「時任…力抜いて、」

ふわり、と優しい口付けが目元に降りてきて、甘い痛みと快感にぎゅっと瞑っていた目を解される。
入ってきた最初の衝撃から馴れるまで、久保ちゃんはいつもこうして、柔らかくキスの雨を降らせ、俺の緊張をほぐしてくれる。

「そう…いいコ。」

眼鏡のレンズ越しでない、細めた久保ちゃんの目には、俺はどう映っているのだろう。
融けきった頭でぼーっとそんなことを考えていると、緩やかな律動が、すぐにそんな思考を停止させた。

「っあ、………んっ、………ふっ、う…」

最初は、ゆっくりと。
久保ちゃんの全部を使って、中を擦りあげられる。
次第に早くなるにつれ、クチュ、ズチュという音が、部屋中に響き渡る。

「…聞こえる?
時任のココ、ヤらしい音」

「………っ!!
…あっ、違っ、…も、それっ、やだ…」

“ココ”と言われたときに一気に最奥を貫かれ、思わず、頭を振り乱して耐える。

「…違うの?
時任が嫌なら、ガマンしよっかな…」

そう言うと久保ちゃんは一気に身体を引いて、ユルユルと入り口を擦り始める。
抜けるか抜けないかのギリギリのところで、つぷ、つぷ…と、焦れったい動きを繰り返す。

「…ねぇっ、くぼちゃ……」

「ん?どうしたの?」

「それ……っ……ちがっ、くて、……ちゃん、と…」

「分かんないなぁ、言ってくれないと」

「あっ………も、しらな…っ」

焦れったいのと、恥ずかしいのとで、泣けてくる。
底が見えない快楽と欲望。
怖いのに、欲しい。
欲しいのに、臆病になる。
堕ちてく寸前の、駆け引き。

「ね、時任…お願い。
欲しがって見せて…?」

「あ、…ぼちゃん、ほし…っ……あぁっ」

久保ちゃんにそんな風に言われたら、もう抗う理由なんて無い。
久保ちゃんが、俺と同じように、俺を求めてる。
それだけで頭がいっぱいで、他のことなんて、もうどうでも良くなる。

「くぼ、ちゃ、…あっあ…っ、いい…」

「うん…いいの?」

「ふっ…ぅん、うぅっ…んっ、ん゙…」

「とき、と…そんな、絞めないで……、」

二人して、一気に上り詰めていく、この瞬間が、何よりもスキ。
久保ちゃん以外、考えられなくなる。
久保ちゃんも、俺だけを見て欲しい。
それを感じて欲しいと思うと、胸がいっぱいになって、きゅっと締め付けられて、それがそのまま、久保ちゃん自身を締め付けてしまう。

「はっ、…時任……っ」

そうすると、久保ちゃんがさらにその上の高みへと連れて行ってくれる。
今でもこれ以上無いくらいに気持ちいいのに、久保ちゃんの声に、動きに、どんどん上り詰めさせられる。
まるで、白い雪が限りなく頭の中に積もっていくように。

「あ…くぼちゃ、くぼちゃん…

………ぁっ!」

「…っ、時任……っ」

お互いの名を呼び合って、2人だけの場所へ上り詰める、満たされた瞬間。
真っ白な闇に落ちていく。

「んっ……すご、熱…」

俺の一番奥で勢い良く放たれた久保ちゃんの熱が、心も、身体も、トロトロに溶かしていく。
そのまどろみの最中、自らの意思に反して、ピクピクと痙攣する俺の下腹を見て、久保ちゃんが、愛おしげに微笑んでくれる。

ああ、俺はこの笑顔が見たくて、ここに居るんだ―――。

そんなことを思いながら、優しい腕の中で意識を手放す、刹那。

外ではいつの間にか日が高く昇り、微かに雪の溶ける音が、耳を心地よくくすぐっていた。





fin.
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